打ち放し壁を室内のアクセントに


お客様から「内観もコンクリートがそのまま出ているの?」という質問をよくいただきます。
建築家が設計する住まいで、打ち放し面が多く使われている作品の影響ではないかと考えられますが、RC住宅全てがこのような仕上がりではなく、JPホームが建てる住まいの内観は、通常打ち放し壁が露出していません。これは内部のコンクリート壁に断熱材を吹き付け、その上からボードやクロスを取り付ける、所謂「内断熱」を採用してる為でコンクリート壁は隠れて見えないのです。

打ち放し壁が全面に露出していると個性的でおしゃれなイメージがありますが、コンクリート造は断熱処理をしないと室内温度や結露の問題で相当住みづらくなるのは確かです。断熱材を内部に使わず打ち放し壁を露出したい場合は、外壁に断熱処理をする「外断熱」が一般的となります。(但し施工費用が上がることと、外観の打ち放し仕上げは出来ないことがデメリット)

やはりRCの素材感が好きな方から内観にコンクリート壁を取り入れたい!という要望をいただくので、その場合は部分的に化粧打ち放し壁をアクセントとして配置することをおすすめしています。



打ち放し壁で清潔感UP!

ダイニングやリビングなどに使用するとコンクリートの持つ無機質なトーンが洗練されたイメージを連想させ、重厚感を出しつつ部分的に使用するのであまり重くなり過ぎずインテリアとして機能します。


モノトーンの静寂性も魅力の一つ
コンクリートは静寂さをイメージさせるので、寝室に配置するとより落ち着いた空間へと変化します。意外なところで和室にも良く合い、純和風の設えとは異なりますが、琉球畳や木材とも相性が良いので「Cool Japan」な和室が出来上がります。



階段や吹き抜けに迫力のあるコンクリートを使う

最もコンクリート壁が使われるのが、各フロアを繋ぐ吹抜けとなった壁面。特に付随する階段もそのままコンクリートで仕上げる場合が多く、壁と一体となったコンクリート階段がレイアウトされた大胆な構造は、RCならではの表現といえるのではないでしょうか。


失敗できない化粧打ち放し工事

このような一部分だけを打ち放し壁で見せる表現ですが、見た目以上に施工技術が必要となります。というのもコンクリートを注入する打設工事は、化粧壁部分だけ後から打設するのでなく1フロアごとに1回で工事を行うからなのです。

コンクリート打設工事後に型枠を解体すると、コンクリートがしっかり流れず空気が入り躯体に隙間のできるジャンカと呼ばれる打設不良が発生する場合があります。打設工事は熟練の職人が経験に基づき事前の準備や当日の天候からコンクリートの状態まで様々な確認をもとに打設スピードを気にしつつ振動を与えながら下部までしっかり締固め(余分な空気を抜いて、コンクリートの密度を高める作業)していきます。これによって打設不良を最小限に留めジャンカのない打設を目指していますが、かなり技術のいる工程となります。特に常に露出した状態となる化粧壁は、美しさが求められるだけに後から補修をして繕うことは容易ではありません。内観の場合、すぐ傍で見ることができるので補修跡が分かってしまいます。

この難度の高いコンクリート打設を行う前には、設計段階から化粧壁が入る場所の図面の確認や事前の打ち合わせが、設計と工事の間で行われます。そして施工に入る際には、専用の型枠を使用するなど仕上がりを意識した工程確保が当初から必要となり、現場監督指揮のもと細心の注意を払い進められて写真のような打ち放し壁が仕上がるのです。